○蓄熱槽計画の要点
1 負荷側機器を大温度差対応とし、利用温度差を大きくとる。
2 二次側は変流量方式とし、低負荷時にも所定の温度で蓄熱槽に戻るようにする。
3 所定の温度で蓄熱するため、冷凍機の入口温度制御を行う。
4 連結完全混合型を採用する場合は槽数を15以上とし、連通管の口径・配置を適切にし蓄熱槽効率を高める。
5 蓄熱槽周りの配管は耐食性の強い材料を用い、蓄熱槽には断熱を施す。

○蓄熱槽を選定した理由
1 熱源機器の高効率運転ができる蓄熱槽を採用する。
2 電力契約については、蓄熱調整契約・ピーク負荷調整契約を採用する。
3 建物の性格から災害時にコミュニティタンクとして利用できるように計画する。
4 建物の規模から空気熱源ヒートポンプチリングユニットを採用し、配管系の腐食のおそれがあるので、負荷側への供給は熱交換器を介して行う。

○図書閲覧室の空調方式選定
1 必要な換気量が確保でき気流分布が良く、消音・遮音対策もとりやすい単一ダクト方式を選定する。
2 使用状況により負荷が偏在することが想定されるので変流量方式とする。
3 送風機の回転数制御を行うことにより省エネルギーにもなる。
4 冬期のスキンロードに対応し、コールドドラフトを防止するため、ペリメータに温水パネルヒータを設置する。

○セミナールームの空調方式
1 複数室が同一系統であるので、室ごとの負荷の相違に対応できるシステムでなければならない。
2 不使用室については停止できることが望ましい。
3 外気は定風量単一ダクトシステムで処理し、室内負荷はファンコイルユニットで対応する。
4 各室の負荷の違いに対応するため、ファンコイルユニットは各室ごとに二方弁制御を行う。

○機械排煙設備の計画の要点
1 複数の防煙区画を1台の排煙機で対応するため、排煙機は毎分120m3かつ最大区画面積1u当たり毎分2m3以上の排出能力を確保する。
2 天井高が3m以上あるので、床面から2.1m以上かつ天井高の1/2以上の位置に排煙口を設ける。
3 排煙口は防煙区画の各部から30m以内の位置になるように設ける。
4 区画内に排煙口を複数設置した場合は、機械的または電気的に連動させる。
5 防煙たれ壁をはさんで自然排煙と機械排煙を連動させない。
6 排煙口の手動開放装置は、壁付の場合は高さ80から150cm、天井吊は高さ180cm程度とする。

○自然排煙設備の計画の要点
1 自然排煙とし、天井から80cm以内かつ防煙たれ壁の下端までを有効面積として、外壁に床面積の1/50以上の排煙口を設ける。
2 天井高が3m以上の場合は、床面から2.1m以上かつ天井高の1/2以上の位置に排煙口を設ける。
3 排煙口は防煙区画の各部分から30m以内の位置になるよう設ける。2個以上設置した場合は各排煙口が機械的または電気的に連動するようにする。
4 防煙たれ壁をはさんで自然排煙と機械排煙を連動させない。
5 排煙口の手動開放装置は、壁付は高さ80から150cm、天井吊は高さ180cm程度とする。

○給水配管の地震対策
1 変位を吸収できるようにフレキシブル継手を使用する。
2 配管がEXPを横切る場合は、建物の構造上変位が比較的小さい1階以下で横切るように配慮する。
3 屋上の転がし配管基礎の移動による破損を防ぐために配管支持は3箇所に1箇所を耐震固定とする。

○飲料用給水設備の計画について
1 水道本管より上水を引き込み、地下1階機械室に設置した飲料用受水タンク(二槽式)に貯水する。
2 このほか引き込み管より分岐し雑用水、消化水槽に補給水として給水する。
3 受水タンクよりポンプ直送方式で便所内洗面器、食堂厨房等の飲料水系統の各器具に給水する。
4 配管は書庫エリアを通さぬよう注意する。
5 雑用水配管は上水配管と区別できるよう配管材料を変える等の配慮をする。

○屋内排水通気計画について
1 汚水・雑排水合流配管とし、地上階の排水は自然流下とする。
2 1階の排水は2階以上の排水とは分離して、単独で屋外排水マスに導く。
3 厨房排水は、グリース阻集器を経由し、単独で屋外排水マスに導く。
4 汚水槽は、他の水槽と隣接せず、点検清掃、汚泥搬出を考慮した位置に設け、通気は単独で大気へ開放する。
5 排水槽排水ポンプは2台設置し、自動交互・非常時同時運転とする。ポンプの運転は水位及びタイマの併用運転とし長時間滞留を防ぐ。
6 通気方式はループ通気管及び伸頂通気管併用とし、ループ通気管は取り出し位置の直近で立ち上げて床下配管は可能な限り短距離とする。

○屋内消火栓設備に加えて、他の消火設備を自主設置する場合の計画について要点
1 書架を水損から防ぐためにガス消火設備で警戒する。
2 現在ハロンガスの使用は規制されており、またCO2消火設備は作動状況によっては人命に関わる問題がおきることもあるため、不活性ガス等の代替設備を自主設置する。

○屋内消火栓設備の計画の要点
1 屋内消火栓(1号消火栓)で全館を警戒する。
2 各階の消火栓は半径25mで建物各部を警戒できるよう複数台設置する。
3 消火栓ポンプはユニット型とし、地階消化ポンプ室に設置する。
4 消化水槽は最大放水量2個分の5.2立方メートルを確保し、消化ポンプ室床下ピット内に設ける。

○スプリンクラー設備の計画の要点
1 水損を防ぐため書架部分及び電気関連設備室は不活性ガス消火設備で対応することとし、それ以外の部分にスプリンクラー設備を設置する。
2 階段、便所等は補助散水栓で代替する。
3 スプリンクラーポンプは地下設備機械室に設置し、水源は床下ピット内に貯留する。

○非常用照明設備の計画の要点
1 建築基準法に基づき各居室、通路、階段等に非常用照明設備を設置する。
2 床面での最低照度を白熱灯で1lxs、蛍光灯で2lxs確保する。電源は電源別置式とし、点灯時間は蓄電池で10分間、自家発電に切り替えてから停電後30分までを自家発電設備でバックアップする。
3 配線は耐火配線とし、電源の切り替えは各階の避難通路照明回路の停電を検出して行う。  
4 なお、分電盤は専用不燃区画に設置する。
5 高天井となる部分には、高天井用非常照明器具を使用する。

○電灯・動力幹線の計画の要点
1 幹線方式は、放射状配線を採用する。
2 電気方式は電灯コンセントを単相3線210V−105V動力を3相3線210Vとする。
3 幹線のゾーニングは負荷の種別及び部屋の用途別に区分する。
4 幹線の容量は危険分散と施工性を踏まえて225AFを基準とする。
5 配線は、シャフト内及び点検可能な天井内ケーブルラック方式とし、その他は配管プラス配線又は配管+ケーブル方式とする。

○非常用自家発電設備の計画の要点
1 建築基準法、消防法に基づく非常用照明や消火設備他の法定負荷に対し、商用電源の停電時、非常用自家発電設備から非常電源を供給する。
2 停電は不足電圧継電器にて検出し、40秒以内に非常電源の供給を可能とする。
3 また来館者や業務に従事する人達がパニックを生じないように照明や業務上最小限の機能を確保するための付加にも電力を供給できるようにする。
4 非常用発電機は区画された専用室に設置し燃料は法規上1時間以上でよいが、保安のための使用を考慮し2時間分を確保する。

○図書閲覧室の照明設備の計画の要点
1 照明の設計照度はJIS基準に準じて閲覧室机上面で平均照度750lxs程度とする。
2 特に美術書籍等の閲覧にも配慮し色再現性に優れた演色製の良いランプを選定して、まぶしさを感じさせないように鉛直面の照度を抑えながら水平面照度を確保する。
3 グレアの少ない配光特性の蛍光灯器具を使用し、環境に配慮して明るさセンサーを用いた昼光利用制御および初期照度制御などの照明制御を導入するとともに点等方式を高周波灯とした効率の良い器具を使用して省エネルギーを図る。

○セミナー室の照明計画の要点
1 事務・VDT・会議・打合せなど多様な用途に柔軟に対応できるよう、建築・設備モジュールを考慮した全般照明とする。
2 設計照度はJIS基準照度に準じ、机上面での平均照度を750lxs程度とし、グレア調整や照度調整が可能な照明計画とする。
3 映像プロジェクタなどAV機器の利用を考慮し、全般照明の調光を行う。
4 高効率の蛍光灯器具の採用や明るさセンサーによる昼光制御と初期照度補正制御、人感センサー制御などを採用し、省エネルギー化を図る。
5 照明器具の点滅は、個別制御と中央制御を併用し、スケジュール、パターン、セキュリティなどの制御設定を可能とする。
○映像閲覧室の照明計画の要点
1 映像情報等の閲覧に使用するために全般照明は平均照度300lxs程度に抑えディスプレイの視認性向上を図る。
2 閲覧ブースに調光可能なタスク照明を設置し机上面照度は500lxs程度確保する。
3 照明器具はグレアを抑えた配光特性を有する高効率の高周波点等蛍光灯器具を使用し、明るさセンサーによる昼光制御と初期照度補正制御の調光などを採用して、省エネルギーを図る。
 
○電話設備の計画の要点
1 電話設備は、情報の共有化、業務の効率化及びサービスの向上を図るために中継方式は分散中継台方式とダイヤルイン方式を併用し局線応答性を高める。
2 番号計画はサービス業務、業務管理及び施設管理などの用途区分を明確化して行う。
3 内線は固定電話機を要所に配置するが、用途により構内PHSを設ける。
4 局線数は10uあたり0.04回線で計算し30回線、内線数は10uあたり0.08回線で計算し60回線とする。
5 構内配線は垂直系統を単独配線とし、各階水平系統は逓減式配線とする。


○自動火災報知器の計画の要点
1 受信機は管理機能が優れたR型を使用し、火災感知のほか、防火戸、防排煙、ガス漏れなどの制御機能を持つ複合盤とし、常時監視可能な管理事務室に設置する。
2 また、副受信機を1階守衛室に設ける。感知器はアナログ式を主体に計画し、プレアラーム機能を組み込む。地階、階段、廊下縦シャフト、無窓階などは煙感知器2種を使用し、地上有窓階部分は差動式スポット形感知器1種を使用する。
3 湿気が多い湯沸室等は定温式スポット感知器1種防水を採用する。配線は主に耐熱ケーブルを用いる。
 
○非常用放送設備の計画の要点
1 非常用放送と一般放送兼用形の放送設備を設ける。
2 非常用放送は、管理事務室より階別及び全館一斉の非常放送ができるようにする。
3 守衛室からも遠隔操作機により同等の放送を行えるようにする。
4 業務放送(BGMを含む)は受付カウンター及び管理事務室より行えるようにする。
5 火災時には自動火災報知器連動のカットリレーによりローカル放送を切り非常放送に自動的に切り替える。

○雑用水給水計画の要点
1 雑用水の水源は庇を除く屋根面から集水した雨水を利用する。
2 雨水は雨水処理室床下の貯留槽(10日分)へ貯留し、沈砂、沈殿の後、濾過し消毒のうえ、床上設置の雑用水受水タンク(2槽式)に貯留する。
3 これより雑用水給水ポンプユニット(ポンプ2台)で各階便器洗浄水として供給する。
4 補給水として飲料水系統より雑用水受水タンクに給水する。

○不活性ガス消火設備の要点
1 書庫は図書水損防止の観点から不活性ガス消火設備を自主設置する。
2 人体への安全性、環境面での優位性から窒素系ガスを使用する。
3 防護区画は2方向避難とする。
4 音声による警報装置、感知器の作動等を知らせる表示灯、排ガス設備を設置する。
5 中央管理室等にガスマスクを備えておく

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